インビザラインができる矯正歯科ってたくさんありますよね。「どの矯正歯科を選んだらいいの?」と悩んでしまう方はきっと多いはず。本記事では、インビザラインで失敗しないためのクリニック選びのコツをお伝えします!
「歯列矯正をするならインビザラインがいいな」と思っていませんか?
透明だから周りにバレずに矯正できそうだし、取り扱っているクリニックも多いからスムーズに通院できそう!
でも……
通える範囲内にインビザラインができる歯科医院がたくさんあると、かえって迷ってしまいませんか?
- 自宅から一番近いところを選べばいいの?
- 料金が安いところにしたほうが得?
- 新しいクリニックの方がいいかな?
たしかに、インビザラインはクリニックによって料金に差があるため、治療費用で選ぶことは重要です。
しかし、せっかく歯列矯正をするなら、本当に満足できる矯正歯科を選びたいものですよね。
そこでこの記事では、矯正歯科を選ぶときの10のポイントを徹底解説します!
あとで後悔しないためにも、スキのない歯科医院選びをしましょう!
なぜ大事?インビザライン矯正で歯科医院選びが大事な理由
インビザラインは、歯科医院選びが結果を左右するといっても過言ではありません。
「専用のシステムを使って治療計画を立てるならどのクリニックでも同じでは!?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
たしかにインビザラインには、独自に開発した歯科矯正用治療支援プログラム 「クリンチェック」がありますが、歯列矯正をするには、歯根や顎の骨などを観察したうえで、歯を動かす距離や順番などを細密に計画する必要があります。
さらに症状によっては、抜歯や歯にかかる力を調整するアタッチメントを併用するなど、歯科医師の知識や経験、技術力などが問われる治療です。
したがって、インビザラインを成功に導くには、インビザラインの治療経験が豊富な歯科医師が正確に判断し、かつ、患者様の希望をかなえる治療計画を立てできるだけ低価格で提供しているクリニックを選ぶことが大事なのです。
一般歯科と矯正歯科の違い
歯科医院には、「一般歯科」と「矯正歯科」があります。
一般歯科 | 矯正歯科 | |
---|---|---|
治療内容 | 虫歯、歯周病、入れ歯など 幅広い歯科治療 | 歯並びや噛み合わせを 整える治療に特化 |
設備 | 一般的な歯科治療に 必要な設備 | 歯列矯正専用の治療設備 |
歯科医師 | 虫歯や歯周病、入れ歯治療などの 経験が豊富 | 矯正治療の経験豊富な 専門医が在籍 |
専門知識 | 口腔内全般の健康管理に関する 幅広い知識 | 歯の移動や顎の成長に関する 専門的な知識を持っている |
「一般歯科」とは、いわゆる町の歯医者さんのことです。
むし歯や歯周病の治療などを主に行っており、口腔内に異常を感じたときに最初に相談できる普通の歯科医院です。
「矯正歯科」とは、主に歯並びの改善や美容的な向上を目的とした、専門性の高い歯科医院のことです。
歯列矯正の専門家ですが、クリニックによっては、むし歯や歯周病などは診療対象外とするところもあります。
普通の歯科医院でも矯正はできる?
一般歯科でも歯列矯正ができるところもあります。
ただし、インビザラインのようなマウスピース矯正は、ブランドによって治療の範囲が限定されていたり、症状が限定されていたりするケースもあります。
たとえばインビザラインの場合、症状や治療できる歯の本数によって5つのパッケージが用意されていますが、一般歯科で取り扱いができるのは、前歯20本のみを治療対象とした「Go」のみに限られています。
「Go」とほかの4つのパッケージでは治療フローも異なるため、インビザラインは料金だけを見て選ぶのではなく、歯科医師と相談しながら症状に合ったパッケージを選ぶことが大切です。
【先に知っておきたい】インビザライン独自の認定医・プロバイダー制度
歯科医院がインビザラインを取り扱うには、インビザライン独自の認定医のランセンスを取得しなければなりません。
このライセンスの取得には厳しい条件が課せられており、「Go」は日本国内の歯科医師免許を有していれば一般歯科でも提供が可能ですが、ほかの「エクスプレス」「ライト」「モデレート」「コンプリヘンシブ」を取り扱うには、次をすべて満たさなければなりません。
- 日本国内の歯科医師免許を有している
- 5年以上の歯科矯正の経験がある
- 国内外の大学もしくはその他の施設で歯科矯正学を履修している
歯列矯正を専門に学び、一定の治療経験がある歯科医師のみが治療にあたっているというのは、患者様にとっても安心ですよね。
また、インビザラインは、歯科医師の治療経験数に応じたプロバイダー制度を設けています。
プロバーダーランクは、ブロンズからレッドダイヤモンドまで10段階に別れており、最高位のレッドダイヤモンドプロバイダーになるには、年間1,000以上の症例数が必要とされています。
歯列矯正は歯科医師の知識や経験、技術力が問われる治療です。
通おうとしているクリニックの治療経験が可視化されているのは心強いですね。
矯正歯科を選ぶ際に見るべき10のポイント
矯正歯科を選ぶときは、ぜひチェックしておきたい10のポイントがあります。
「どの矯正歯科を選んだらいいのかわからない」と迷ったら、次のポイントを確認してみましょう!
歯列矯正を専門に行っている歯科医院か 歯科医の矯正経験と知識が豊富か インビザライン治療を得意としている歯科医院か、 症例数やプロバイダーのランクはどうか 矯正歯科治療専用の検査設備が整っているか、充実しているか インビザライン以外の矯正装置も取り扱っているか 治療についてわかりやすく説明してくれるか費用は明確か、 相場と比べて高すぎないか(妥当な金額か) 歯科医師やスタッフとのコミュニケーションの相性はよいか 矯正中のトラブルに対応してくれるか 予約は取りやすいか |
歯列矯正を専門に行っている歯科医院か
歯列矯正は一般歯科でも治療が可能です。
しかし、歯列矯正の方法にはさまざまな選択肢があり、歯列矯正を専門とする矯正歯科症状や患者様の希望によっても適した方法は異なります。
歯列矯正を専門に行っている矯正歯科であれば、骨格を撮影する設備や歯列矯正の為の器具も整っているので、症状や希望に合った治療方法を選択することができますよ。
歯科医の矯正経験と知識が豊富か
歯列矯正は歯科医師の知識と治療経験が大切です。
なぜなら、歯列矯正は見た目の美しさだけでなく、噛み合わせの機能や骨格のバランスなども考慮しながら行う治療だからです。
ひとつの判断基準として、日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているかどうかもポイントになります。
認定医とは、歯列矯正に関する豊富な知識があり、一定の技術力があることを審査によって認められた歯科医師のことです。
さまざまな症例を見てきた認定医であれば、矯正中のお悩みも相談しやすいですよ。
インビザライン治療を得意としている歯科医院か、症例数やプロバイダーのランクはどうか
インビザラインを検討する場合、ぜひ確認しておきたいのがインビザライン独自に設けているプロバイダーのランクです。
このランクはインビザラインの症例経験数に応じて付与されるもので、「ブロンズ」から「レッドダイヤモンド」まで10段階に細かく分けられています。
ランクが高いほど症例数が多く、インビザラインの治療に長けていることが期待できます。
クリニックの公式サイトなどでランクを確認できるので、ぜひ一度見てみてくださいね。
矯正歯科治療専用の検査設備が整っているか?充実しているか
歯列矯正において、治療前の検査は非常に重要です。
治療計画を立てるには、歯列の状態を確認するのはもちろん、歯根や顎の骨の状態、噛み合わせなどを正しく把握することが欠かせないからです。
そのため、多くの矯正歯科では次のような検査機器を導入しています。
- 口腔内を3D光学スキャナーで再現できる「 iTero(アイテロ)」
- 矯正歯科専用の特別なレントゲン「セファロ」
- 歯や骨の状態を確認できる「歯科用CT」
気になるクリニックがあったら、これらの設備が整っているかどうかもチェックしてみましょう。
インビザライン以外の矯正装置も取り扱っているか
インビザラインは多くの症状の治療に対応できます。
しかし、口腔内の状態や患者様の希望によっては、インビザライン以外の治療法のほうが適しているケースもあります。
一般的な歯列矯正の方法には、次のようなものがあります。
- 歯の表側にワイヤーを装着し、歯科医師が細かく調整できる「ワイヤー表側矯正」
- 歯の裏側にワイヤーを装着し、外見からは矯正中であることがほとんどわからない「ワイヤー裏側矯正」
- 目立ちにくく、奥歯の噛み合わせも治療できる「インビザライン」
- 前歯のみの部分矯正に特化したマウスピース矯正「キレイライン矯正」
- 安く始められると人気の「ウィ・スマイル」
このほかにも歯列矯正の方法はたくさんありますが、なかには抜歯をともなう症状には適さなかったり、症状が重い場合は適応とならなかったり、それぞれにメリットもあればデメリットもあります。
複数の矯正方法を取り扱っている歯科医院なら、そのぶん治療経験や知識も多くなりますし、いくつかの治療方法を提案してもらったなかから、歯科医師と相談しながら希望に合った方法を選ぶことも可能です。
あなたにとって最適な治療法を提案してもらうためにも、インビザライン以外の矯正方法も取り扱っているかをチェックしておきましょう。
治療についてわかりやすく説明してくれるか
「わかりやすく説明すること」は歯列矯正において非常に重要です。
通常、歯列矯正を始める前に歯科医師が作成した治療計画を提示し、それに基づいた説明が行われますが、このとき、「わかったつもり」になったまま治療を進めてしまうと失敗を招きやすくなります。
たとえば、歯列矯正は少なからずリスクをともなうものです。
どのようなリスクがあるのか、トラブルが起こったときにはどのような対処をするのか、といったことを確認しておかないと、のちのち「こんなはずではなかった」と後悔してしまうことになりかねません。
また、歯列矯正は、理想の歯並びになったからといって治療が終了するわけではありません。
動かしたばかりの歯はまだ不安定なため、そのまま放置しているともとに戻ってしまう「後戻り」が起こりやすいのです。
これを防ぐために、理想の位置まで歯を動かしたあとは、歯列を固定するための「保定装置(リテーナー)」を装着します。
なぜ保定期間が必要なのか、保定期間はどのぐらいかかるのか、保定装置の料金はいくらなのか、といったことも、治療前にしっかりと説明してくれるクリニックが理想です。
歯科医師にとっては常識的なことでも、患者様にとっては初めて知ることが多い歯列矯正です。
説明が不十分だったために後悔する結果とならないよう、ていねいに説明してくれるクリニックを選ぶとよいでしょう。
実際にあった!複数のクリニックでカウンセリングを受けた患者様に起きた失敗例
せっかく始めた歯列矯正なのに、「失敗した」と後悔している例も少なくありません。
こちらで紹介するのは、実際に起こった失敗例です。
複数のクリニックでカウンセリングを受けたせいで起きた失敗とは!? Aさんは、インビザラインの広告を見て3つのクリニックで初回検診を受けました。 1つめのクリニックでは、「コンプリヘンシブ」というパッケージをすすめられました。 2つめのクリニックでも、1つめのクリニックと同じように「コンプリヘンシブが適している」と診断されました。 ところが3つめのクリニックの初回検診を受けてみると、「コンプリヘンシブより安いパッケージで治療できる」との説明を受けました。 高いパッケージではなく、安いパッケージをすすめてくれたことに喜んだAさんは、3つめのクリニックで治療を受けることにしました。 ところが治療が終わってみると、理想としていた歯並びからは遠い結果となり、治療を受けたことを後悔してしまったのです。 |
この失敗の原因は、3つ目のクリニックが、本当にAさんに適したパッケージを勧めず、価格が安いパッケージを勧めたことです。
複数のクリニックで初回検診を受けることは、クリニックを比較検討するうえで良いことですが、安いパッケージと高いパッケージでどのような違いがあるのかを確認しなかったことが失敗につながっています。
3つめのクリニックでは、Aさんが先の2つのクリニックで高いパッケージをすすめられたことに不安を感じていることを理解しています。
そのため、歯科医師はAさんの症状にはコンプリヘンシブが最適であると知りながら、安いパッケージをすすめれば契約をとれそうだ、と先読みしたわけです。
さらにもうひとつ落とし穴があります。
それは「契約後にパッケージの変更はできない」という点です。
いったん契約してしまったら、満足できない結果になったとしても、ほかのパッケージに乗り換えて治療を継続することはできないのです。
また、料金の安い部分矯正と、高額な全顎矯正を提案されて、料金だけを比較して部分矯正を選んだら、思っていた歯並びとは遠い仕上がりになってしまった、という話もあります。
このように、費用だけを比較して選んでも、なりたい歯並びになれるとは限りません。
大切なのは、なりたい歯並びをしっかりと伝え、どこまで治療できるのか、その選択をした場合、どのようなリスクがあるのか、ということを理解することです。
費用は明確か、相場と比べて高すぎないか(妥当な金額か)
インビザラインの料金は、歯科クリニックが独自に設定できます。
複数のクリニックを比較してみると、同じインビザラインのパッケージでも、金額に開きがあることに気づくと思います。
クリニックを選ぶときは、次の点に注意しましょう。
◆費用設定が分かりやすく明示されているか
インビザラインには5種類のパッケージがあります。
どのパッケージがいくらなのかを明示してあれば、わかりやすく、良心的といえます。
◆一般のインビザラインの費用相場に比べてどうか
インビザラインの料金はクリニックが自由に設定できます。
費用はクリニックによってさまざまですが、各パッケージの費用相場を調査したので次の表を参考にしてみてください。
治療範囲 | アライナー数 | 適応症例 | 費用相場 | 治療期間 | |
---|---|---|---|---|---|
コンプリヘンシブ | 全体矯正 | 最大99枚 | 重度の歯列不正 | 80〜100万円 | 1年半〜3年程度 |
モデレート | 全体矯正 | 最大26枚 | 中等度の歯列不正 | 70〜90万円 | 7ヶ月~1年半程度 |
ライト | 全体矯正 | 最大14枚 | 軽度の歯列不正 | 45〜65万円 | 6ヶ月~1年程度 |
エクスプレス | 全体矯正 | 最大7枚 | ごく軽度の歯列不正 | 20〜40万円 | 3〜6ヶ月程度 |
GO | 部分矯正 | 最大20枚 | 軽度の歯列不正(前歯20本内) | 30~50万円 | 6ヶ月~1年程度 |
この表の価格より高い場合は、ほかのクリニックも候補に入れたうえで検討してもよいかもしれません。
◆具体的な費用・期間を提示してくれるか
インビザラインで歯列矯正をするには、インビザラインの料金のほかに、再診料や抜歯などの追加治療費、リテーナーの費用などがかかります。
また、治療にかかる期間は、最初の検診でおおよその目安がつきます。
具体的にどのような費用がいくらかかるのか、治療にはどのぐらいの期間が必要なのか、といったことは、患者様にとって重要なポイントです。
不安や疑問などがあるときはそのまま放置せず、しっかりと確認するようにしましょう。
◆自分にあった費用/支払い方法で矯正できるか
予算を考える際は、再診料やリテーナーの料金も含めて考えたいものです。
歯科クリニックから提示された金額が予算を超えてしまうような場合は、無理せず、予算内におさまるところを探したほうがいいかもしれません。
また、支払方法も、クリニックによっては、クレジット分割払いやデンタルローンに対応しているところもあります。
最初にまとめて払っておくのか、月々少しずつ払っていくのか、といった点も考えておきましょう。
歯科医師やスタッフとのコミュニケーションの相性はよいか
歯列矯正は数ヵ月以上の長期にわたる治療です。
治療期間中は定期的に通院し、口腔内のチェックや治療の進み具合などの確認をするので、クリニックのスタッフとのコミュニケーションは非常に大事です。
人間同士は相性もありますが、質問しやすく、インビザラインの取り扱いに慣れたスタッフがいると安心です。
矯正中のトラブルに対応してくれるか
インビザラインに限りませんが、歯列矯正中は思いがけないトラブルが起こることも珍しくありません。
決められた時間マウスピースを装着できない日が続いたり、むし歯ができてしまったり、痛みが気になったりした場合に、すぐに相談できることも大事です。
なかなか診てもらえないからと我慢しているうちに、さらに悪化してしまうリスクもあります。
フォロー体制や診療日・診療時間なども確認しておきましょう。
予約は取りやすいか
インビザラインを始めた後は定期的に通院することになりますが、診療日や時間がクリニックから指定されると、仕事や学校に支障が出る可能性があります。
また、自分で予約を入れられる場合でも、混んでいて希望する時間に予約が取れないケースもあります。
通院が不規則になってしまうと、計画通りに治療を進められなくなって、治療期間が予定より長くなってしまうことも……!
クリニックの休診日や診療時間とともに、予約の空き状況なども見ておくと安心です。
まとめ
インビザラインは日本全国の多くの矯正歯科で取り扱っています。
通院範囲内に複数のクリニックがあると、「どこにしたらいいの?」と迷うかもしれませんが、クリニック選びで気をつけたいのは次の10のポイントです。
- 歯科医院が歯列矯正を専門に行っているか
- 歯科医師は経験・知識が豊富か
- インビザラインの治療実績やプロバイダーランクはどうか
- 矯正歯科治療専用の設備はあるか
- インビザライン以外の矯正も行っているか
- 説明はわかりやすいか
- 費用は高すぎないか
- コミュニケーションをとりやすいか
- 相談したいときに相談できるか
- 予約は取りやすいか
これらを表にまとめて比較してみると、自分に合ったクリニックが見えてきますよ。
クリニック選びは歯列矯正の第一歩。
納得できる歯科医院で、満足できる歯並びをめざしましょう!